駐車場のある雑木の庭 作庭 その4
いよいよお庭も全貌が見え始め、今回はウッドフェンス施工からです。これまでの流れは「駐車場のある雑木の庭 その1〜3」を御覧ください。
ウッドフェンスは、元々のお打ち合わせ時に簡易的なもので、圧迫感がなくかつ遮蔽機能を持つものというご依頼で既存フェンスに直接柱を固定する方法を予定していたのですが、施工段階になってからブロック塀はお隣さんの所有物で、さらには将来壊す可能性があるということを聞かされ、急遽、コンクリート束石を設置してから、設置していくことにしました。
予算に限りがあるためここでの設計変更は少し厳しいところもありますが、お庭は10年、20年後を見据えて作っていくものですから、妥協は出来ません。材料となる木材も含めて検討をし直します。このような急な工程変更にも、自社設計、自社施工であると対応しやすくなります。
こちらが束石設置後の様子。ブロック塀に沿ってフェンスを立てていきます。将来撤去されるかもしれないブロック塀にくっつけて作成するとフェンスにも影響が生じる可能性があるため、やや隙間を開けています。
束石を設置したら次は、フェンス取り付け。大体の作業を1人で行っていたため、写真は撮れませんでしたが、サクサクと進めていきます。
フェンスの設置を進めつつ、飛び石も据えていきます。
石を据える際は1石1石勾配と隣の石とのバランス、そして何よりも歩きやすさを考慮します。今回は自然石を使用していますので、それぞれの合わせの向きも重要となります。
ここから地盤高が上がり、土壌で石の側面が埋まっていきます。
そしてフェンス設置、飛び石の小道作成が終わった様子がこのような感じ。
フェンス下部の隙間は、下の方を開けることで開放感を出したいとのお施主さんからのリクエストで決まりました。木材には防腐剤を3度塗りして耐久性を高めています。使用木材はハードウッドでは有りませんが、毎年きちんとメンテナンスしていくことで、長きに渡ってご使用いただけます。飛び石については、ここから土を入れていく際に、しっかりと付き固めていくことでグラつきのない歩きやすい小道に仕上がります。
次の工程は土壌改良・土入れです。
既存の土壌は建築土壌でありガラが大量に混ざっていました。その大半はすでに取り除いてありますので、ここに有機質の多い黒土を混ぜ混んで投入していきます。水はけが悪かったり、土壌が固く植物の生育が困難であると判断した場合には、土壌の入れ替え又は地盤改良も検討しますが、今回は土壌改良を行うことで対応可能であると判断しました。植栽時には腐葉土を混ぜ込んでいくことで、通気性を高めていきます。また排水性を良くするためにウッドフェンスとブロック塀の間は砂利敷としました。今回は土壌改良範囲も広く、合計で10トン以上の黒土を投入しました。こちらが黒土混ぜ込み・整地後。
背景が黒くなったことにより、アプローチと小道が引き立ちます。
中山諒二造園設計では、お庭の雰囲気にあったフェンス施工や、土壌改良についてのご相談も受け付けておりますのでご気軽にお問い合わせください。
今回も、読んで頂きありがとうございます。
次回はいよいよ植栽です!