農鳥岳への冬期合宿
中山諒二造園設計では、2021年 2月13日(土)〜2月14日(日) に農鳥岳への冬期社員旅行(強化合宿?)を行いました。社員旅行ですが、特に社員もいないため単独行です。まさかのバレンタインデー合宿。ちなみに弊社では現状、特に従業員は募集しておりませんが、登山仲間は随時募集しております。(お気軽にご連絡ください!)
さて農鳥岳(のうとりだけ)は南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)にある標高3,026 mの山です。日本第2位の高さを誇る北岳(3,192m)、第三位の高さの間ノ岳(3,189 m)とともに白峰三山の一つで、日本二百名山にも選定されている山です。稜線上から眺める景色は素晴らしく、合宿であることを忘れてしまうほどでした。
農鳥岳を選んだ理由は、コロナ下ということもあり、人の少なそうな山であり、かつ冬山を楽しめそうなところといったところでしょうか。行き帰り誰にも会わなかったため、コロナ対策としてはバッチリでした。ただおかげで、トレースはなく、ラッセルを強いられる登山となりました(泣)
今回は奈良田の駐車場がスタート地点です。朝4時起きで軽トラに乗り込み、現地に向かいます。最近ではめっきり少なくなりましたが、早朝から山梨の現場に向かっていた頃は、朝8時から作業を始めるために早起きしていたのでした。そして駐車場に到着。さすがシーズンオフ!閑散としています。
タイヤチェーンも用意していきましたが、雪や凍結もなくスムーズなドライブとなりました。辺りは静けさが漂っています。
速やかに身支度を整え、車道を歩き始めます。
登山客が駐車できる場所はこのあとはないため、ここからは、アスファルトの道を進んでいきます。時折見られる杉林の縦線と車道の曲線が美しい。また、苔の乗った地面も良い雰囲気を醸し出しています。今回は、会社の勉強を兼ねているので、造園の内容を散りばめなくてはいけません。ご容赦ください。
更に歩くこと数十分。景色は一転して河原のよう。ここを渡って登山道に入っていきます。
河原を抜けて樹林帯へと入ります。苔むした岩に庭園への思いを馳せながら、ただ歩きます。自然は美しいですね。
吊橋を渡ります。結構揺れますがしっかりはしているようです。
そして、また河原。自然から学ぶ石組み。
冬でも針葉樹の緑は心を和ませてくれます。私は、落葉樹を主体とした雑木の庭を得意としておりますが、こうした針葉樹も取り入れていきたいと思わせる風景です。とか、考えていると造園の合宿っぽいですね。
面白い形のアセビを発見!光を求めて曲がっていったのでしょうか?こちらも冬の山道に色を添えています。
今回の持参した荷物は約20Kg 程度。まだザックにも気持ちにも余裕があったため、2Lほど水を汲んでおきました。(2kgプラス)
この判断が後で膝に効いてきます(泣)
ようやく雪が見えてきました!しかし、この辺りはまだ新雪のようなので、アイゼンは履かずそのまま進みます。水の流れの音が心地よい。サウンドスケープですね。
そして見えてきた大門沢小屋。先を急ぐため、立ち寄りもせず通り過ぎます。さようなら、大門沢小屋。
冬期は営業停止ですが、トイレとテント場は開放、また冬期避難小屋も併設されているようです。このへんまでのアクセスは簡単なので、冬ならここまで来て山の雰囲気を楽しむのもいいかもしれません。
更に進むこと1時間程度。ついに農鳥岳の稜線が姿を現しました!天気はほぼ快晴。この時点では風もほぼなしで、絶好のコンディションです。しかしながら、人がいなすぎてトレースがないため、道なき道を進んでいきます。
場所によりけりですが、膝下〜膝上ラッセルを続けていきます。雪の下は川が流れているようで、せせらぎが聞こえてきます。川には落っこちないように慎重に歩を進めます。たまにワカンを装着して、浮力をあげていきます。
振り返ると富士山が見守っていてくれています。ああ、美しき日本の山。こうして富士山が身近に感じられるのも南アルプスのいいところですね!
そして急斜面。ここでは12本アイゼンの先端とピッケルを使用し、上へ上へと登っていきます。足を滑らせると落っこちそうな感じなので慎重に、しかしテンポ良く進んでいきます。ここが一番長く大変でした。流石に3,000m 級の山です。トレースはないため、進む道は感覚で決めていきます。
登りきった頃には辺りはすでに暗くなっており、満点の星空と農鳥岳が出迎えてくれました。都会に住んでいると忘れがちですが、星空は本当に美しい!来てよかった。
しかし、稜線は風が強いので、飛ばされそうです。ここでは寝られません。そんなわけで、テントは雪で壁を作りそこに張ることにしました。
今回持参した造園用ミニスコップ。これで整地、地ならしも行いました。ちょっと時間かかった気がしたので、間違いなく通常の雪山用スコップがおすすめです!
そして、テントを張り夕飯を取り就寝。ふと目を覚まし、テントの中から外を見てみるとそこには美しい光景が広がっていました。
天の川と富士。徐々に日が明けてきました。
ささっと朝食を済ませ、農鳥岳頂上を目指し歩き始めると、日の出の時間を迎えました。
そして、赤く染まる稜線。シュカブラの模様が引き立ちます。これもなんか日本庭園っぽいと感じますね。枯山水の砂紋みたい。
染まる農鳥岳。早起きした甲斐がありました。風が強いからでしょうか、稜線の片側には雪がなく岩がむき出しになっています。それとも、暖冬?そう言えば富士山も少し雪が少ないような…温暖化の影響でしょうか? 木を植えましょう!中山諒二造園設計では、木を植えたい皆様を応援しています。
そして、頂上付近。振り返ると歩いてきた稜線が朝日を浴びています。南アルプス、いいところですね。
頂上につきました!記念写真のためサングラスを外したら眩しくて目が日焼けしたようです。今後は記念写真もサングラスありで行こうかと思います。。
眼前にそびえるは間ノ岳と北岳。尖ったシルエットが美しい。次回は北岳行ってみようかな。
写真からも穏やかな気候が伝わっていますかね!
快晴で朝は風も少なかったため、寝袋を干しながら少し休憩。このあと、マットやらダウンジャケットやら色々テントの上で干しました。
山で天気が良いって本当に嬉しいことですね。天候に感謝!
あとは一気に下るのみ!登りの半分以下の時間で下るように急ピッチで進みます。急な坂なので転がり落ちないように、はしごを下るような感じで、でも急ピッチで行きます。こちらが最後の一枚。
帰りは温泉に間に合いたいので時間との戦いでした。(しかし温泉はコロナ下のため、早期終了で間に合いませんでした(泣))
ありがとう、農鳥岳。また合う日まで!